セラピストという仕事は幅広くあらゆる職種が存在します。
職種によって仕事内容や目指し方が変わるので、まずは自分がなりたいセラピスト像をはっきりとさせることが大切です。
なりたいセラピスト像をはっきりさせるためにもセラピストという職業について理解していきましょう。
ここでは、セラピストの仕事内容や目指し方を職種別にご紹介します。
セラピストという仕事に興味がある方、目指し方を知りたいという方は是非参考にしてみてください。
セラピストってどんな仕事?
セラピストとは、専門的な知識や技術を用いて人を癒す職業です。
心理・身体・美容から癒しを提供してお客様の生活を豊かにします。
職種によっては国家資格・認定資格などが必要なものもあり、その目指し方はさまざまです。
セラピストを目指す人は、まず自分がどんなセラピストになりたいかをはっきりとさせましょう。
セラピストは今の日本に必要な仕事
仕事・家事・育児などで毎日忙しいストレス社会において、セラピストという職業は重要な役目を担っています。
お客様は施術を受けることで身体的・精神的に楽になり日々の生活の質が向上します。
ストレスが多い社会で生活する人々にとってセラピストは大切な存在です。
セラピストは4つに分類できる
セラピストという職業にはあらゆる職種が含まれます。
人を癒すためのアプローチの違いから4つに分類することが可能です。
- ボディ・美容系セラピスト
- 医療系セラピスト
- 心理系セラピスト
- リラクゼーション系セラピスト
これら4つの職種は人を癒すという意味では同じですが、仕事内容や目指し方が大きく違います。
まずはその仕事内容や目指し方を理解していきましょう。
【職種別】セラピストの仕事内容や目指し方とは
では、セラピストの仕事内容や目指し方を4つの職種別にご紹介します。
ボディ・美容系セラピスト
ボディ・美容系セラピストとは、身体の美と健康をサポートする専門家のことです。
この分野には、さまざまな専門職が存在し、それぞれが異なる技術やアプローチを用いて、お客様の外見と内面の両方をケアします。
ボディ・美容系セラピストの代表的な職業は以下の通りです。
エステティシャン
エステティシャンとは、身体の健康面・美容面から癒しを提供する仕事です。
脱毛・フェイシャル・ピーリング・マッサージなどを行います。
技術や人気があれば開業もできる夢のある職業です。
目指し方や資格
エステティシャンになるために必要な資格というものはありません。
エステティシャンの多くはサロンに就職して働きながら知識や技術を身に付けます。
資格が必要ないといっても専門性や技術力が必要な仕事なので、働きながら学び続けることが大切です。
民間資格を取得すれば就職や転職にも有利なので資格を取るのもおすすめです。
資格例
リフレクソロジスト
リフレクソロジストとは、足裏にあるツボを刺激して身体の健康や美容を促進させる仕事です。
リラックス効果が高く新陳代謝を向上させる効果も期待できます。
日本では2種類の施術内容(西洋式・東洋式)が普及しています。
目指し方や資格
リフレクソロジストになるために必要な資格というものはありません。
多くのリフレクソロジストはサロンで働きながら知識や技術を身に付けます。
未経験からでも目指すことができる職業です。
東洋式・西洋式のどちらを学びたいのかを決めておきましょう。
資格例
医療系セラピスト
医療系セラピストとは、病気やけがの治療・健康促進のために治療やリハビリテーションを提供する専門職です。
柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ師・理学療法士・作業療法士などがこのカテゴリーに含まれます。
医療系セラピストの代表的な職業は以下の通りです。
柔道整復師
柔道整復師とは、骨折・脱臼・打撲(だぼく)・捻挫(ねんざ)などのケガに対しての応急処置やリハビリテーションを行う専門家です。
整骨院・接骨院・医療現場などで勤務することが多いです。
目指し方や資格
柔道整復師になるには国家資格が必要です。
厚生労働省認定の専門学校もしくは養成施設で3年間の教育を受けてから国家試験の合格する必要があります。
ちなみに2023年度柔道整復師国家試験の合格率は49.6%です。
鍼灸師(しんきゅうし)
鍼灸師とは、鍼(はり)や灸(きゅう)を使った治療を行って体の不調を整える仕事です。
鍼と灸は別の資格なのでそれぞれの資格を取る必要がありますが、多くの人が両方の資格を取得しています。
目指し方や資格
鍼灸師になるには国家資格が必要です。
厚生労働省認定の専門学校や養成施設で3年または4年の教育を受けてから国家資格に合格する必要があります。
ちなみに、2023年度の鍼師試験合格率は74.2%、灸師試験合格率は76.1%です。
あん摩マッサージ師
あん摩マッサージ師は、手技や器具を用いたマッサージ、あん摩、指圧などによって体の不調を整えます。
本来マッサージはあん摩マッサージ師が行うことができる手技の1つです。
目指し方や資格
あん摩マッサージ師になるには国家資格が必要です。
厚生労働省認定の養成施設で3年間の教育を受けてから国家資格に合格する必要があります。
ちなみに、2023年度のあん摩マッサージ師試験合格率は84.7%です。
理学療法士
理学療法士とは、病気やケガにより機能が低下した患者の身体機能を回復させるため、運動療法や物理療法(熱、光、電気などを利用した治療)を行う専門職です。
ストレッチや筋力トレーニングなどを用いて歩く・座るなどの基本的な動作を回復させるのを目指します。
目指し方や資格
理学療法士になるには国家資格が必要です。
厚生労働省認定の4年制大学もしくは専門学校(3年制or4年制)で教育を受けてから国家資格に合格する必要があります。
ちなみに、2023年度理学療法士試験の合格率は87.4%です。
作業療法士
作業療法士は、病気・けが・障害によって困難を抱える人々に対しリハビリテーションを行う医療専門職です。
子どもから高齢者までを対象にしており、発語や嚥下など生活に必要な動作・行動の訓練を行います。
目指し方や資格
作業療法士になるには国家資格が必要です。
厚生労働省認定の大学もしくは専門学校で教育を受けてから国家資格に合格する必要があります。
ちなみに、2023年度作業療法士試験の合格率は83.8%です。
心理系セラピスト
心理系セラピストとは、個人の心理的な問題や精神的な健康に対してアプローチする専門家です。
カウンセリングや心理検査を通してクライアントの抱える問題やストレスを理解し、より良い精神状態を目指します。
心理系セラピストの代表的な職業は以下の通りです。
公認心理士
公認心理士とは、心理的な困難を抱えた人に対してアセスメントやカウンセリングや心理検査を行う心理職です。
心理系セラピストの中で唯一国家資格が必要な職業です。
目指し方や資格
公認心理士になるためには国家資格が必要です。
試験を受けるには大学や大学院で教育・実習を受ける必要があります。
ちなみに、2023年度公認心理士試験の合格率は73.8%です。
臨床心理士
臨床心理士とは、精神的な健康問題を抱える人々に対しカウンセリングや心理療法を用いて解決を目指す心理職です。
国家資格ではありませんが日本臨床心理士資格認定協会が実施する試験に合格する必要があります。
目指し方や資格
臨床心理士になるためには日本臨床心理士資格認定協会認定の資格が必要です。
試験を受けるには大学・大学院で教育や実習を受ける必要があります。
ちなみに、ちなみに、2023年度臨床心理士試験の合率は64.8%です。
心理カウンセラー
心理カウンセラーとは、相談者のストレスや悩みを心理的にサポートする職業です。
主な仕事は相談や面接で企業に勤める人もいますが、独立する人も多い職業です。
目指し方や資格
心理カウンセラーになるために必要な資格はありません。
しかし、専門知識や技術が必要な職業のため、働いてからも学び続ける必要があります。
認定資格を取得して活動しているカウンセラーも多いです。
リラクゼーション系セラピスト
リラクゼーション系セラピストとは、トリートメント・アロマテラピーなど身体的・精神的なリラクゼーションを提供する職業です。
心身をリラックスさせて日頃の疲れを癒します。
リラクゼーション系セラピストの代表的な職業は以下の通りです。
アロマテラピスト
アロマテラピストとは、心身へのリラックス効果が高いアロマを利用してマッサージやトリートメントを行う職業です。
お客様の状態に応じたアロマを選んで施術していきます。
アロマテラピストにはアロマやマッサージの知識だけでなくコミュニケーション力も求められます。
目指し方や資格
アロマテラピストは資格がなくてもなれる職業です。
多くのアロマテラピストはサロンに勤務しながら知識や技術を身に付けます。
資格は必要ありませんが専門性が高い職業なので民間資格を取得してスキルアップすると就職や転職に有利です。
資格例
カラーセラピスト
カラーセラピストとは、色彩心理学の知識を利用して精神的・身体的な健康をサポートする職業です。
色が人の健康に与える効果について学ぶ必要があります。
目指し方や資格
カラーセラピストは資格がなくてもなれる職業ですが、多くのセラピストは民間資格を取得して専門的なトレーニングを受けてから働いています。
色彩に関する知識だけでなく経験も必要な職業です。
資格例
セラピストにはあらゆる職業があるということが分かりました。
職業によって目指し方が大きく変わってくるので、できるだけ早く目指したい職業を選びましょう。
セラピストに向いている人の特徴は?
では、セラピストに向いている人の特徴を3つご紹介します。
共感性が高い
セラピストにとって人の話を聞いて感情に寄り添う共感性は必要な能力です。
会話の中で心に寄り添いながら丁寧に話を聞くことで、お客様のストレスや悩みを軽減させることもできます。
施術中はセラピストばかりが話をするのではなく、できるだけお客様の話を聞くことを心がけましょう。
コミュニケーション力が高い
セラピストはお客様との会話の中で悩みや問題を聞き出して、適切な施術を選んでいきます。
お客様が悩みを相談したいと思うセラピストになるには、コミュニケーション力を鍛えなければなりません。
できるだけお客様が安心して施術を受けられるような雰囲気づくりを心がけましょう。
忍耐力が高い
セラピストは職業によっては国家資格や公認資格が必要なものもあります。
試験を受けるために長い時間が必要な職種もあるなど、目指すのに忍耐力が必要です。
資格が必要ないセラピストでも高い専門性が求められるため、働きながら学び続けなければなりません。
セラピストにとって忍耐力は必要不可欠な力だといえます。
セラピストのやりがいは?
では、セラピストのやりがいを3つご紹介します。
お客様が変わっていく姿を見ることができる
セラピストは直接お客様と関わりながら継続的に会うことが多い職業です。
そのため、施術を受ける中で変化していく姿を見続けることができます。
例えば、美容サロンであればお客様が美しくなっていく姿、リラクゼーションサロンではお客様が元気になっていく姿を目にすることができます。
このように直接お客様の変化を見られることはセラピストにとっても喜びとなるでしょう。
自分の健康にもつながる知識を得られる
セラピストになるためには施術に応じた専門知識が必要です。
職種によって知識の内容は異なりますがどれも健康や美容にとって良いものばかりです。
専門的な知識が増えることによってセラピスト自身の健康や美容にもつながります。
多くの人と出会える
セラピストは毎日仕事の中で多くの人と出会います。
あらゆる人と出会い会話をすることによって人への理解が深まり多面的な視点を持てるようになります。
多くの人と出会い視野を広げることによってセラピスト自身も大きく成長できるでしょう。
まとめ
セラピストはあらゆる方向から人を癒すことができる魅力的な職業です。
大きく分けるとボディ・美容系、心理系、医療系、リラクゼーション系の4つに分類できます。
職種によっては国家資格・公認資格・学歴が必要なため、目指したい職種はできるだけ早く選ぶのがおすすめです。
まずは「自分がなりたいセラピスト像」をはっきりさせておきましょう。