セラピストはやりがいも華やかさもある職業ですが、実は離職率が高いことでも有名です。
せっかく夢のセラピストになったのに、1年以内に辞めてしまう人もたくさんいます。
人気の職業であるにも関わらず、離職率が高い理由は何なのでしょうか。
ここでは、セラピストの退職理由をランキング形式でご紹介していきます。
退職理由だけでなく、セラピストを長く続けるためのポイントやセラピストに向いている人の特徴などもご紹介します。
セラピストとして働くためには、その職業の大変なところやその対処法も知っておくことが大切です。
長く楽しくセラピストとして働いていけるように、どのような理由で退職したのかを知って、自分の仕事探しの参考にしてみてください。
セラピストの退職理由ランキング
では、まずセラピストの退職理由をランキング形式でご紹介します。
先輩セラピスト達の退職理由を知って、今後の就職活動に活かしていきましょう。
第1位:お給料が安い
セラピストを退職する理由で最も多いのが、「お給料が安い」ということです。
退職する人の約4割がお給料を理由に挙げています。
セラピストの平均年収は、270万円~300万円で、ボーナスが出ないサロンも多いです。
そこから税金・保険などを差し引くと毎月の手取りは20万円以下のところが多く、仕事自体はやりがいがあって楽しくても金銭的な問題で続けられないという人も多くいます。
第2位:職場の人間関係
セラピストが働くサロンは女性が多い職場です。
もちろんサロンの雰囲気にもよりますが、女性が多い職場はどうしても人間関係が難しくなってしまいがちです。
せっかく仕事が楽しくても人間関係がぎくしゃくしているとストレスになり、長く続けるのは困難になってきます。
サロンは小さな世界なのでオーナーの性格や雰囲気がサロン自体の雰囲気に影響します。オーナーを中心としたサロンの雰囲気が良いかどうかを事前に確認してから面接を受けるようにしましょう。
第3位:違う仕事がしてみたい
給料が安いという問題とも関係していますが、収入が少ないために将来への不安を感じて違う職への転職を考える人が多いです。
また、収入面だけでなく思っていたよりもハードワークなところや接客業の難しさに気付いて、他の職業を目指す人もいます。
セラピストという職業を辞めること自体は残念なことですが、人はそれぞれ自分に合った職業があるので、気持ちを切り替えて他の職業に転職するのも良いのかもしれません。
第4位:他のサロンへの転職
セラピストという職業自体は楽しいけれど、働く場所を変えたいと思って他サロンへ転職する人もいます。
転職理由は、今よりさらに技術力があるサロンに転職したい、今働いているサロンの人間関係が苦手、今よりお給料が高いサロンに転職したいなどの理由が多いようです。
セラピストという職業を長く続けるということを考えると、自分に合った環境のサロンを探して転職するのは前向きな選択だともいえるでしょう。
第5位:健康問題
セラピストという職業は思っているよりもハードな職業です。
マッサージやエステは中腰で行う作業も多いので腰痛に悩むセラピストも多いです。
手や腕をよく使うので腱鞘炎になる人もいます。
実際にドクターストップがかかって、転職せざるを得ないセラピストも多く、せっかく好きな仕事でも健康面の理由が原因で辞める人は少なくありません。
一見華やかで美しい職業ですが、実は体力が必要な仕事だともいえます。
第6位:家庭の事情
他の職業の転職理由としてもよく挙げられるのが家庭の事情です。
家族の介護、配偶者の転勤、家事と子育ての両立の難しさなどが理由で辞める人が多いです。
しかし、セラピストという仕事自体が好きな場合は、家庭の事情が落ち着いてからまた復帰するケースも多いようです。
また落ち着いてから復帰するのも良いかもしれません。
第7位:独立したい
新たに自分でサロンを開きたいという理由で辞めるセラピストもいます。
セラピストは比較的独立しやすい分野の職業なので、このような理由で辞める人も多いです。
独立が理由で転職する場合は、セラピスト自体を辞めるわけではなく新たなチャレンジという意味もあるので、前向きな転職ともいえます。
【併せて読みたい記事】
このように、セラピストの退職理由をランキング形式でご紹介しました。
退職理由を知ると長く続けるためにどのような点に注意して就職先を選べばよいかが見えてくるでしょう。
では、次にセラピストの仕事を長く続けるためのポイントをご紹介していきます。
セラピストを長く続けるためのポイント5選
セラピストの仕事を長く続けるためにはどのような環境のサロンを選ぶかが大切です。
働きやすい環境のサロンを見つけて知識や技術を磨いていきましょう。
POINT1「面接」を確認しよう
サロン採用面接の際に、しっかりと面接を行っているかどうか確認しましょう。
セラピストという職業は入れ替わりが激しい職業ということもあり、人手不足のサロンも多いです。
そのため、働きたいと手を挙げた人はしっかりと面接せずに誰でも採用するというところも珍しくありません。
このようなところは働き始めてからの労働環境が思っていたのと違うというケースも多いです。
採用面接をしっかりと行っているところはその分就職が難しい可能性がありますが、働いた後の環境を考えると面接をしっかりと行っているところの方が安心です。
POINT2「待遇」を確認しよう
セラピストの退職原因の第1位がお給料です。
せっかくやりがいがあるのにお給料が原因で辞めてしまうのはもったいないので、就職活動を行うときにはサロンへ待遇を確認しておきましょう。
お給料だけでなく福利厚生や深夜手当、資格手当などの制度が充実しているかどうかを確認しておくことも大切です。
POINT3「労働条件」を確認しよう
セラピストの退職理由の第5位が健康問題です。
セラピストという職業は想像以上に体力が必要な仕事なので、休憩や休日がしっかりととれるなど労働条件が整っていることが大切です。
休みの日にはセラピスト自身の身体を癒すためにマッサージや整骨院などに行ってメンテナンスすることも大切です。
セラピスト自身の身体や心を大切に扱ってくれるようなサロンを選ぶようにしましょう。
POINT4「研修」を確認しよう
セラピストとして長く働くためには、知識を付けて技術を磨くことが大切です。
働く環境が良くても自分自身に技術や知識がなければお客様が離れていってしまいます。
就職するサロンを探すときには、研修制度が整っているサロンを選んで自分の技術も磨いていきましょう。
POINT5「雰囲気」を確認しよう
セラピストの退職理由の第2位が人間関係です。
人間関係が良くないとどうしても職場の雰囲気が悪くなってしまいます。
逆に職場の雰囲気が良くて助け合えるところであれば多少しんどくても頑張れるということも少なくありません。
長く続けられるような職場を選ぶためには、職場の人間関係が良いところを選ぶようにしましょう。
セラピストの仕事を長く続けるためのポイントをご紹介しました。
働きやすい環境を見つけて長く楽しみながらセラピストの仕事を続けていけるのが理想的です。
ただし、お仕事は環境だけでなく「そもそもその職業に向いているか」という点も大切です。
次にセラピストに向いている人の特徴をご紹介するので、自分がセラピストに向いているかどうかも簡単に確認してみましょう。
セラピストに向いている人の特徴は?
セラピストに向いている人とはどのような特徴があるのでしょうか。
その特徴を知って、自分がセラピストに向いているかどうか確認してみましょう。
人の話をしっかりと聞ける
セラピストは人を癒す職業です。
エステやマッサージの施術を行って体の疲労を取るのも大切な仕事ですが、お客様の話を聞いて心も癒すことも大切です。
お客様の中には、セラピストと話すことを楽しみ来る人もいます。
ただ単に施術を行うだけでなく、お客様の話を親身になって聞けるような人にセラピストという職業は向いています。
体力に自信がある
セラピストという職業は思っているよりも体力が必要な仕事です。
施術時間は30分~120分くらいが多く、長いものでは2時間以上かかるコースもあります。
その時間休憩なしに施術し続けるとなれば、ある程度の体力が必要です。
また、1日に何人も施術することも珍しくありません。
セラピストとして働いていくためにはある程度の体力も必要になってきます。
人の役に立ちたいと思える
人の役に立ちたい、人のために何かをしたいという気持ちが強い人はセラピストに向いています。
そもそもセラピストという職業は、人を癒す職業なので人のために何かをしたいと自然に思える人に向いている職業です。
小さな頃から世話好きな人や人の喜ぶ顔を見て自分も嬉しくなるような人はセラピストが向いているでしょう。
心が安定している
サロンに来るお客様の多くは体や心に不調を感じています。
セラピストは、お客様の悩みに耳を傾けて少しでも不調を改善できるようにお手伝いする仕事です。
セラピスト自身の心が安定していないと、人の悩みを聞いて寄り添うことは難しいでしょう。
お客様の悩みを聞いてその辛さに引っ張られないような心の安定感も大切です。
人の悩みを聞くのは思っているよりもハードな仕事です。
セラピストとして長く働くためには、辛いことがあってもすぐ立ち直れるような心の強さも育てていきましょう。
身体や心に興味がある
セラピストという職業は、身体や心について学び続けることが大切です。
施術には流行もあり日々進歩しているため、人の身体や心についての勉強をし続けていくことがセラピストには求められます。
そのため、身体や心について興味があり勉強することが苦痛ではない人はセラピストに向いているといえます。
セラピストに向いている人の特徴をご紹介しました。
全てに当てはまっていないからといって、セラピストに向いていないということではありません。
働いてみると意外と向いていると感じていることもあるので、一度セラピストとして働いてみても良いでしょう。
セラピストとして働いてみたけどやっぱり向いていない、転職したいと思ったときは一体どうすればよいでしょうか。
次にセラピストを退職するときに注意すべきことをいくつかご紹介します。
セラピストを退職するときに注意すべきこと
セラピストという仕事を退職したいと思ったときは、どのようなことに注意すればよいでしょうか。
これから退職するときに注意すべきことをいくつかご紹介します。
よく考えてから決断しよう
退職すると金銭的にも精神的にも不安定になることがあります。
できれば、在職中に次の就職先の目途を立てるなど、次の仕事が見つかるまでの期間のために貯蓄をするなど辞めた後のことを考えてから退職するのがおすすめです。
また、退職したいという気持ちは一時的なものかもしれません。
続けていけば仕事にも余裕が出てくるということも考えられます。
退職という決断は大きな決断なので、しっかりと考えてから行うようにしましょう。
退職届を提出しよう
しっかりと考えた結果、辞めるという決断をしたらサロンのオーナーに退職届を出す、もしくは退職したいという意向を伝えましょう。
一般的に、退職したい期日の1~2か月程度前の段階で伝えます。
急に辞めるとなると揉めてしまう恐れもあるので、余裕をもって伝えることで穏便に退職することができるでしょう。
お客様に通知しよう
サロンに退職の意思を伝えて具体的に退職する期日が決まったら、早めにお客様に伝えるようにしましょう。
特に指名で来られているお客様はあなた目当てで来ている可能性が高いです。
次のセラピストを紹介するなど指名で来られていたお客様が困らないようにしましょう。
情に流されないようにしよう
お客様に辞めるということを伝えると多くの場合「辞めないでほしい」と言われます。
そのように言われると一瞬心が揺らぐこともあるかもしれませんが、スムーズに辞めたい場合はここで情に流されずスパッと辞めるようにしましょう。
逆に言うと、お客様に止められても強い意志で辞められるような状態になってから辞める決断をするのがいいのかもしれません。
では、次に退職すると決めたらすぐに行うべきことをご紹介します。
退職すると決めたらすぐに行うこと
退職した後の生活を整えるためには事前の準備が欠かせません。
しっかりと準備をして退職後の生活に備えましょう。
では、これから退職を決めたらすぐに行うべき行動を具体的にご紹介していきます。
失業保険の受給を確認しよう
一定期間以上働いた職場を退職する場合は、失業保険がもらえる場合があります。
ただし、自己都合で退職したら失業保険を受け取るまでに4か月ほどの猶予期間があるので注意しましょう。
受給要件についてはハローワークで相談するようにしましょう。
失業保険がもらえるとしても自己都合の場合は4か月間無収入の状態が続くので、その期間の生活費を貯蓄しておくと安心です。
転職先を探そう
退職を決めたらできるだけ早く次の就職先を見つけましょう。
できれば在職中に次の仕事を決めておくと良いですが、忙しくて就職活動ができない場合は退職後すぐに活動するようにしましょう。
退職後の方が面接などの調整もしやすく、ハローワークにも通いやすいので丁寧に就職活動が行えるという利点もあります。
まとめ
セラピストはやりがいもあって人気も高い職業ですが、お給料や体力の問題が理由で退職率の高い職業です。
実際に多くの人が就職後1年以内に辞めてしまう厳しい世界だということを知っておく必要があります。
セラピストとして長く働くためには職場環境が大切です。
お給料や福利厚生が整った働きやすい職場を探すようにしましょう。
どうしても退職したいという場合は、辞めたい期日の1~2か月前には職場に伝えるのがおすすめです。
お客様にも辞めることを伝えてしっかりとお礼のあいさつをしましょう。
まずは、セラピストという職業が自分に向いているかどうか、働きやすい職場があるかどうかなど事前のリサーチを丁寧に行ってからセラピストという職業を目指しましょう。